こんにちは、UnLimiteDです。
今回はデフォルトの懸念で話題になっている中国の「恒大集団」についてお話します。
中国の恒大集団とは?
恒大集団は中国の広東省に拠点を置く大手不動産デベロッパーです。
ゼネコンというのが実際に建物を建てる側で、デベロッパーというのが街や施設自体を企画する側という認識で良いでしょう。
ご存じの通り中国都市部の不動産はバブルを迎えていますが、代表者の許家印氏はこれにいち早く目を付けて、借入のレバレッジを効かせた経営で会社を急成長させました。
時価総額は最高で日本円にして約9兆円であり、同じ業種の三井不動産と三菱地所を合わせた規模をゆうに超えると言われれば、どれほど大きい会社であるか想像できるでしょうか。
また自社のサッカークラブチームを保有したり、EV事業介護事業にも手を伸ばしたりといった多角経営も相まって、まさに中国を代表する巨大企業となりました。
なぜ破綻危機に陥っている?
このように世界的にも巨大な恒大集団ですが、現在デフォルトの懸念が高まっています。
それは不動産の価格が下がっているというのが第一ですが、株式を担保にした過剰な借り入れも原因と言えるでしょう。
健全な企業の自己資本比率の目安が30~40%程度であるのに対して恒大集団は約15%であり、いくら借入に依存しがちな不動産業でもこれは極端に低い数値です。
またこれらの借り入れは株式を担保にしているものが多く、株価の下落=資金調達が困難ということですので、相乗効果でデフォルトのリスクが高くなります。
出典:「Google Finace」
この辺は日本のバブル期に似たところもありますが、現在の恒大集団の株価は一年前の10分の1程度まで落ち込み、また一部の金融機関からは資産を凍結されています。
恒大集団の相場への影響は?
恒大集団の経営危機はFXの相場にも影響しており、特にドル円などは比較的顕著に表れています。
例えばデフォルト懸念に関する報道が出ればドル売り、逆に今回のように中国当局がドル建て社債で投資家に返すよう指示すればドル買い、といった流れです。
恒大集団のデフォルト云々は中国国内の問題ではありますが、これをきっかけに不動産価格の下落がさらに連鎖してリーマンショック級の金融恐慌が起こるという見解もあります。
もちろん可能性としてはゼロではありませんので、今後の動向に注視していきましょう。
以上です。
FOMCの利上げがまだ先ということもあり、目先の為替相場は恒大集団の影響で傾く可能性もあります。
現状では比較的小幅な影響に留まっていますが、最悪のケースは想定して日ごろからポジション整理をしておきましょう。